建物探訪 「東海館」
2022 - 05/13 [Fri] - 17:02
昭和3年に材木商稲葉安太郎氏により伊東温泉旅館として創業された建物で、平成13年に伊東市に寄付され文化施設となり一般公開されています。(伊東市指定有形文化財)
伊東大川沿いに建つレトロな和風木造3階建ての建物で、客層が湯治客から団体客に変化するにしたがって増築されてきています。望楼も昭和24年に増築されています。
正面玄関の唐破風が優雅で繁栄当時の風格ある姿を表現し、亀と鶴の懸魚彫刻も目を引きます。
中庭を取り囲むように雁行した廊下を配し、各室の入口に小屋根を作り戸建て風の客室となっています。ところどころに様々な飾り窓があり、職人の技とこだわりを見ることができます。
各階を評判の棟梁に分担させ腕を競わせた自慢の建物には、桧や黒檀・紫檀など高級な木材や形の変わった変木を随所に使い、伝統的な和風建築となっています。
客室は床の間など全て違うデザインで、書院の欄間や障子の組子が繊細で、各部署の納まりも含め各職人の技術のレベルの高さに感激しました。
二間続きの120畳もある大広間が3階にあり、毎晩行われていたと思われる宴会の雰囲気を人形が感じさせてくれます。
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